19日の香港株式市場でハンセン指数は3日続落。終値は前日比0.38%安の28010.86ポイントだった。中国企業指数は0.52%安の10523.24ポイント。メインボードの売買代金は概算で774億1900万HKドルと、4日連続で800億HKドルを下回る低水準だった。
ハンセン指数は高くスタート。前日は終値ベースで2017年9月29日以来ほぼ10カ月ぶりの安値を付けただけに、序盤は買い戻しが先行した。しかし中国本土相場が下げに転じるとハンセン指数も中盤にマイナス圏に沈み、大引け間際には下値のめどとされた節目の28000ポイントをわずかに割り込む場面があった。米国と中国の貿易協議が停滞し、互いに制裁関税の対象を拡大するとの警戒感が強まったもよう。米国のクドロー国家経済会議(NEC)委員長は18日のテレビ番組で、貿易問題を巡って両国間に意見の大きな相違があり、中国の習近平主席は「交渉中の問題について合意をまとめる気がないようだ」と述べた。17−18日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が行った議会証言を受けて米国の利上げ継続が改めて意識され、米ドル高/人民元安が一段と進行したことも嫌気された。きょうの為替市場でオフショア人民元(CNH)の対米ドル相場が下落し、およそ1年1カ月ぶりの元安水準を付けた。
ハンセン指数構成銘柄では、中国4大商業銀行の中国建設銀行(
00939)と中国工商銀行(
01398)、インターネット大手のテンセント(
00700)、自動車メーカーの吉利汽車(
00175)が売られ、相場の重荷だった。食品・飲料メーカーの中国旺旺(
00151)と中国蒙牛乳業(
02319)、中国政府系不動産デベロッパーの中国海外発展(
00688)も大幅安。前日買われたスマートフォン部品メーカーの舜宇光学科技(
02382)が下げた。半面、欧州の銀行最大手HSBC(
00005)と中国生保大手の中国人寿保険(
02628)が堅調。豚肉大手の万洲国際(
00288)は続伸した。
H株では、きょう朝方に第三者割当増資の計画を発表した上海復星医薬(
02196)が7%超下落。空運の中国南方航空(
01055)、中国東方航空(
00670)、中国国際航空(
00753)は原油高によるコスト上昇が嫌気されて売られた。一方、18年6月中間決算が80%増益となる見通しを明らかにした新華人寿保険(
01336)が大幅高。製鉄のアンガン・スチール(
00347)も高い。