20日の香港株式市場でハンセン指数は続落。終値は前日比0.71%安の22885.91ポイントだった。H株指数は0.78%安の9715.72ポイント。メインボードの売買代金は概算で560億6200万HKドル。
ハンセン指数心理的節目の23000ポイントを割り込んで寄り付き、終始マイナス圏で軟調に推移した。後場には下げ幅を縮める場面もあったが、同節目付近では売りが強まった。指数は下げ足をやや速めて今週の取引を終えた。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が利上げベースの加速を示唆したことに続き、次期米財務長官の発言で新政権による米ドル高けん制への警戒が薄らぎ、米ドル高や米金利上昇を背景とする新興国からの資金流出懸念が改めて意識され、投資心理を悪化させた。米大統領就任式を控え、持ち高調整や利益確定の売りも重し。きょう発表された中国の2016年10−12月期GPD(国内総生産)伸び率が6.8%と市場予想の6.7%を上回り、2014年4−6月以降で初めて伸びが加速したが、相場への影響は限られた。
ハンセン指数構成銘柄では、時価総額上位のHSBC(
00005)やテンセント(
00700)、本土系の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)、中国人寿保険(
02628)など主力株が総じて売られ、相場を押し下げた。2017年の生産目標を2016年実績以下の水準に設定した石油メジャーのCNOOC(
00883)が2%の下落。同業のペトロチャイナ(
00857)も安い。自社株買いを材料に買われていた香港系不動産の長江実業地産(
01113)が利食い売りに押され、続落した。半面、前日に大幅続落した香港航空大手のキャセイ・パシフィック(
00293)が反発。長江和記実業(
00001)など香港地場系銘柄の一角もしっかり。ハンセン指数を構成する50銘柄のうち、6銘柄が上昇、4銘柄が変わらず、40銘柄が下落した。
H株では、2016年12月本決算の大幅赤字見通しを発表した油田サービス最大手、中海油田服務(
02883)が3%超の下落。鉄鋼の馬鞍山鋼鉄(
00323)、アンガン・スチール(
00347)、不動産大手の万科企業(
02202)も下げが目立った。半面、ビールメーカーの青島ビール(
00168)が逆行高。中国中車(
01766)、中国交通建設(
01800)など鉄道インフラ関連も買われた。H株指数を構成する40銘柄のうち、7銘柄が上昇、4銘柄が変わらず、29銘柄が下落した。