バイデン米政権が米国のバイオテクノロジー産業の発展を促す行政命令に署名するとの報道を受け、13日の香港市場でバイオ医薬品の開発受託会社、薬明生物技術(
02269)が約20%安と急落し、14日も続落している。大和証券キャピタルマーケッツは最新リポートで、意見交換で同社経営陣が市場の反応が過剰だったとの見方を示したことを明らかした。経営陣は今回の行政命令が「中立的なもの」と受け止めるべきだとした。『AAストックス』が14日伝えた。
米国顧客が流出する懸念について、経営陣は臨床医薬品委託開発(CRO)や受託研究開発製造(CDMO)がサービスの質を重要視しているため、顧客との関係の維持に自信を示した。
大和は、米国の行政命令の詳細が明らかになっていないことから、いまのところ薬明生物技術への影響ははっきりしないと指摘。最悪のケースでは、米国以外での生産が制限され、薬明生物技術は米国顧客と収入が減少することになるが、このようなことが起きる可能性は小さいとの見方を示した。
また、バイオ製造の参入ハードルが高く、米国国内で生産能力が不足していることから、行政命令の影響は直ちに出ない可能性があると分析。米国での製造コストが中国を上回るため、米国の製薬会社が国内で生産することを選択した場合、利益率に下押し圧力がかかるとした。
一方、薬明生物技術の経営陣は、必要に応じて設備投資計画を調整する可能性に言及。また、バイオテクノロジー企業や製薬会社は政治問題よりも、サプライヤーが提供するバリューに関心があるとした。
薬明生物技術の株価は日本時間午後3時51分現在、前日比4.59%安の50.95HKドルで推移している。