ロイター通信は19日、中国不動産大手の碧桂園(
02007)が債務返済資金を調達するため、豪シドニー郊外で開発中の「Wilton Greens」プロジェクトを売却する方針だと報じた。同プロジェクトは20億豪ドル(約12億7000万米ドル)を投じてシドニーから車で約1時間の距離の用地に3600戸の住宅を建設する計画だったが、現時点で建設が進んでいるのは50戸に満たない。
報道によると、碧桂園は4年前にこの大規模な海外プロジェクトに乗り出したものの、金利の上昇に伴い住宅購入の需要が縮小し、同社の債務返済能力が低下した。「Wilton Greens」は実質的な進展がほとんどないまま先行き見通しが不透明になっており、同社は売却を図っているという。
碧桂園オーストラリアの最高経営責任者(CEO)は、オーストラリアの資産は「引き続き好調で、ノーマルな市場動向と計画に沿っている」と表明。「残りの区画を売却することは、Rislandが資産ポートフォリオを最適化する戦略の一部だ」と説明した。Rislandは「Wilton Greens」プロジェクトを手掛ける碧桂園オーストラリアの子会社。
ロイター通信によれば、碧桂園が展開している他の海外プロジェクトとは異なり、碧桂園がオーストラリアで抱える財務上のエクスポージャー(残存リスク)は主に土地購入価格と分譲関連コスト。住宅購入者は建築費用を自分で支払わなければならず、区画の購入取引が成約した後に予期せぬコストを負担することになりかねない。
碧桂園の19日前場終値は前日比変わらずの0.74HKドル。