18日の香港市場で豚肉生産の世界最大手、万洲国際(
00288)が安い。前日比9.84%安の6.05HKドルで前場の取引を終えた。同社万隆会長の長男、万洪建氏が17日深夜、「微信(WeChat)」の公式アカウント「新肉業」に文書を掲載し、父親が米国から豚肉を高値で仕入れ、中国子会社の河南双匯投資発展(
000895)の損失を招いたと批判したことが売り材料となったもよう。万洪建氏は先ごろ、執行取締役など万洲国際でのすべての役職を解任されたばかり。
文章によると、万隆会長と最高財務責任者(CFO)の郭麗軍氏は今年2月、米国からの冷凍豚肉の仕入れ価格を大幅に引き上げた。河南双匯投資発展の経営陣の強い反対を押し切り、米国から冷凍豚肉を大量に輸入。2月末時点で同種類の輸入豚肉の市場平均価格は1トン当たり2万1500元だったが、万隆会長らは輸入決済価格をこれまでの1トン当たり2万1000元から2万5800元に引き上げた。輸入量は約10万トンで、河南双匯投資発展の損失は8億元に上る。
万洪建氏は文書で、このような関連当事者取引は明らかな違反行為で、大株主への利益供与に当たると主張。「高価な冷凍肉は現在も倉庫に眠り、河南双匯投資発展に巨額な損失のリスクを負わせた一方、大量な札束が米国に流れ込んだ」と批判した。