中国の工業情報化部は2日、「人形機器人創新発展指導意見」を公表し、ヒューマノイド（ヒト型ロボット）の中核技術のイノベーションと産業育成を支援する政策とを打ち出した。

　「指導意見」は3年後、5年後をめどに政策目標を設定した。2025年までにヒューマノイドの初期的なイノベーション体系を確立する。ヒューマノイドの「大脳、小脳、手足」などについて重要な技術ブレークスルーを果たし、中核部品の安全かつ効果的な供給を確保する。ヒューマノイド製品が世界でも先進的な水準に達し、大量生産され、特殊用途や製造業、民生サービスなどの場面でモデルとなる応用例を実現する。効果的なガバナンスの仕組みと手段の形成を目指す。また、世界的な影響力を持つエコシステム企業2−3社と、専門分野に特化した中小企業群を育成し、2−3個の産業発展クラスターを形成して多くの新業務、新モデル、新業態を育成する。

　27年までに、ヒューマノイド技術のイノベーション能力が格段に向上。安全で信頼できる産業サプライチェーン体系を形成し、国際競争力のある産業エコシステムが構築されて総合力が世界でも先進的な水準に達する。

　工業情報化部はヒューマノイドをコンピューター、スマートフォン、新エネルギー車に続く革新的製品と位置付けた上で、「わが国のヒューマノイド産業はすでに一定の基盤を備えているが、重要部品やオペレーティングシステム、製品、業界をリードする企業、産業エコシステムなどの面で足りない部分が存在している」と指摘し、政策による指導強化が必要との見解を示した。

　3日の中国本土市場では、巨輪智能装備（002031）など10銘柄以上が値幅制限の上限（ストップ高）まで買い進まれた。