◇紫金鉱業集団
◇Zijin Mining Group Co.,Ltd.
◇H株:02899
◆ポイント
◇金や銅の平均販売価格が上昇、粗利益率が14.5%から17.1%に改善
◇銅精鉱部門の売上高は12%増、利益は116%増
◇アルゼンチンの炭酸リチウム事業、23年末までに稼働へ
◆アルゼンチンの炭酸リチウム事業、23年末までに稼働へ
紫金鉱業集団が発表した2022年6月中間決算は、売上高が前年同期比20.6%増の1324億5800万元、純利益が同90.0%増の126億3000万元となった。主力製品の金や銅、亜鉛などの平均販売価格の上昇で粗利益率が前年同期の14.5%から17.1%に改善した。販売費や研究開発費などが膨らみ、信用減損損失3400万元(前年同期は5億9700万元の戻し入れ)を計上したが、投資収益が3.7倍の21億3100万元に増え、利幅が広がった。中間決算で純利益が100億元を超えるのは今回が初めて。
セグメント別では、稼ぎ頭の銅精鉱部門の売上高が11.8%増の46億6300万元、利益が116.1%増の73億5800万元。鉱山で産出した銅精鉱(コンゴのカモア銅山を除く)の販売量が70.3%増の28万2800トン、1トン当たりの平均販売価格が6.7%高の5万3351元と好調だった。金精鉱部門は売上高が62.9%増の25億2900万元、利益が165.8%増の23億4800万元と大幅な増収増益。販売量が87.5%増の1万5724キログラム、1グラム当たりの価格が6.0%高の336元となった。亜鉛部門も成長し、売上高が36.4%増の36億3900万元、利益が54.4%増の1億6400万元。販売量は1.6%増の20万800トンと伸び悩んだが、1トン当たりの価格が27.7%高の1万7006元に達した。
今後も買収を通じて鉱山資源の生産量を増やす方針。アルゼンチンでリチウムを採掘する「3Q塩湖プロジェクト」では電池の原材料となる炭酸リチウムを生産する。第1期では年産2万トンを目指しており、23年末までに稼働を始める計画だ。
◆会社概要
中国の大手金鉱会社。金や銅・亜鉛を中心に各種鉱物資源の採掘、精錬、販売を手掛ける。中国最大規模の金鉱山である紫金山鉱山(福建)、多宝山鉱山(黒龍江)、阿舍勒鉱山(新疆)などが国内の主力鉱山で、海外ではパプアニューギニアやコンゴ民主共和国、ロシアなどの鉱山に出資する。21年の金生産量(新産金)は47トンで国内シェアは18%。銅生産量は58万トンで国内シェアは31%。21年末の保有資源量は金が2373トン、銅が6277万トンに上る。
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