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2021-12-22 中国/トピック/金融 印刷   Nikihou_Webをフォローしましょう
金融政策:20カ月ぶり「利下げ」も受け止めはややネガティブ、一段の緩和期待も
 米欧が金融引き締め方向に進む中、中国人民銀行(中央銀行)が20日、利下げに踏み切った。事実上の政策金利である「最優遇貸出金利(ローンプライムレート:LPR)」の1年物を3.85%から3.80%へ0.05%引き下げたもので、新型コロナが蔓延した直後の20年4月以来、20カ月ぶりの利下げ。中小零細企業の資金繰り支援に向け、12月15日に銀行の預金準備率を0.5%引き下げたのに続く緩和措置となった。

 人民銀は今回、これまで活用してきた預金準備率の引き下げやオペの強化にとどまらず、抜本的な金融緩和に踏み切ったが、市場では歓迎ムードより、中国経済の急減速への警戒感が高まる状況ともなっている。また、1年物のLPRを0.05%引き下げる半面、住宅ローン金利の目安となる5年物を4.65%に据え置いたことで、不動産引き締めの継続姿勢を示した形。JPモルガンは主にこの点から、市場の受け止めはネガティブだと指摘している。不動産市場へのテコ入れ期待が空振りに終わる中、市場はすでに、この先の追加緩和の可能性に目を向けている。

◆「利下げサイクル入り」か、22年上期にも再引き下げの可能性

 今回のLPR引き下げに関しては、「利下げサイクルの始まり」と受け止める声もあり、22年の追加の利下げ観測が出ている。ING銀行の大中華圏チーフエコノミスト、彭藹ジョウ氏は、中国が緩和サイクルに入ったと捉え、全国人民代表大会(国会に相当、全人代)が開かれる22年3月をめどに、LPRの0.05%の追加引き下げが行われる可能性を指摘した。また、中国の格付け会社、東方金誠の王青チーフエコノミストは、22年上期の預金準備率の追加引き下げを見込むとともに、LPRの小幅の再引き下げの可能性に言及している。華泰証券は、22年の政府債発行規模がかなり膨らむ可能性や米利上げが当面見送られる可能性に触れ、利下げの必要性および実現可能性が22年も残るとの見方を示している。

 半面、JPモルガンはこの先の緩和の可能性に対して慎重であり、これが利下げサイクルの始まりを意味するわけではないとの見解だ。中国経済が21年10−12月期に底打ちするとみて、追加緩和の可能性が後退しているとの認識。22年上期の再利下げの可能性も薄まったと指摘している。

◆5年物据え置き、不動産引き締め継続を示唆か

 一方、20日のLPR引き下げに関して、注目されたのは5年物の据え置き。東方金誠のエコノミストは、不動産引き締め基調に変化がないことを示したとの見方だ。ただ、当局は実際のところ、不動産デベロッパー向け融資規制をやや緩和するとともに、住宅ローンの実行を加速させるなど、引き締めの手をやや緩めつつある。東方金誠はこうした点から、不動産市況の低迷がさらに続くようであれば、次のLPRの追加引き下げ時に、5年物の引き下げを合わせて行う可能性もあるとしている。

 5年物が今回据え置かれたことに関しては、半面、「当局が主要デベロッパーの高リスクプロジェクトの処理に着手し始めたタイミングだったことが影響した」との見方もあり、この点に留意する必要がありそうだ。本土メディアの報道によれば、人民銀と中国銀行保険監督管理委員会はこのほど、銀行に対し、主要不動産企業の物件開発プロジェクトのM&Aに金融支援やサービスを提供するよう求める方針を通達。資金難に直面している大手デベロッパーのプロジェクトを、他の優良デベロッパーが買収することを奨励する方針を明らかにしたという。

◆銀行セクターにはややネガティブ、NIMと利益が縮小見込み

 なお、今回のLPR引き下げは、銀行セクターの利幅に一定のマイナス影響を及ぼす見通しだ。LPRはMLF(中期貸出ファシリティー)金利にスプレッド(利幅)を上乗せしたものだが、今回は12月のMLF金利が横ばいで推移する中で行われたLPRの引き下げであり、スプレッド部分が縮小したことは確実。シティグループは「実体経済のために銀行が犠牲にならざるを得ない」とし、22年の銀行銘柄の純金利マージン(NIM)と利益がそれぞれ平均0.011ポイント、0.9%縮小するとの分析結果を示した。個別では、招商銀行(03968/600036)、中国工商銀行(01398/601398)への影響は限定的で、中国民生銀行(01988/600016)と上海浦東発展銀行(600000)に相対的に大きな影響が及ぶ見通しという。また、JPモルガンは銀行銘柄の22年のNIMと利益に、0.02ポイント、2%のマイナス影響が出るとの見方。シティ以上の大きな影響を見込む。

 対照的に、ゴールドマン・サックスは銀行セクターの利益への影響について、「中立」との見解だが、これは15日付で実施された預金準備率引き下げによるコスト削減効果との相殺が理由。交通銀行(03328)の投資判断を「売り」に据え置く半面、招商銀行と中国郵政儲蓄銀行(01658)に「買い」の投資判断を付与。うち中国郵政儲蓄銀行については、強い買い推奨を示す「コンビクション・バイ」リストに加えている。

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