◇アリババ集団
◇Alibaba Group Holding Ltd.
◇ハンセン:09988
◆ポイント
◇購入者数が10億人突破、高キン零售の買収効果も重なり売上高41%増
◇独占禁止法違反の制裁金182億元、アントの株式報酬費用161億元
◇21年1−3月期決算は上場来初の赤字転落、売上高急増も制裁金が痛手
◆21年1−3月期決算は上場来初の赤字転落、売上高急増も制裁金が痛手
2021年3月本決算は売上高が前年比40.7%増の7172億8900万元、純利益が同0.7%増の1503億800万元だった。国内外の購入者数が10億人を突破する中、20年10月から高キン零售(
06808)を連結対象に加え、売上高は拡大したが、独占禁止法違反に伴う制裁金182億2800万元の計上が痛手となり、純利益が伸び悩んだ。傘下の金融会社、アント・グループの株式報酬費用160億5400万元も響いた。
事業別では、ネット通販部門の売上高が42.4%増の6211億4600万元、営業利益が14.7%増の1589億8100万元。中国でのネット通販の総取引額(GMV)が13.7%増の7兆4940億元、21年3月の利用者数が9.3%増の9億2500万人に達するなど好調を維持した。クラウド部門は売上高が50.2%増の601億2000万元、営業赤字が90億5000万元(前年は70億1600万元の赤字)。ネット関連や金融業界からの需要増で売上高は大きく伸びたが、赤字脱却は実現しなかった。デジタルメディア・娯楽部門は売上高が7.2%増の311億8600万元、営業赤字が103億2100万元(同153億8900万元)だった。サービスの有料加入者数は伸びたが、コンテンツ費用などがかさんだ。
21年1−3月期決算は売上高が前年同期比63.9%増の1873億9500万元、純損益が54億7900万元の赤字(前年は31億6200万元の黒字)だった。四半期決算での赤字転落は14年に米国市場にADRを上場した後では初めてとなる。同社は22年3月期には売上高が9300億元を超えるとの見通しを明らかにしている。
◆会社概要
中国のネット通販最大手。CtoCの「淘宝網(タオバオ)」、BtoCの「天猫(Tモール)」が中核業務。新型小売り生鮮・日用品スーパー「盒馬」、卸売サイト「1688.com」も運営する。海外では東南アジアのネット通販大手「ラザダ」を展開。動画サイトの「優酷」、ネット出前の「餓了麼」なども展開。クラウド事業ではアジア最大手。子会社の阿里健康(
00241)とアリババ・ピクチャーズ(
01060)が香港上場。
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