モルガン・スタンレーは最新リポートで、中国の自動車・電池メーカー、BYD(
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モルスタは、BYDが一部車種の現金値引きを拡大したとの情報が市場で流れたことで、24日に同社株価が大幅に下落したことに言及。2023年に入ってからBYDはほかの本土ブランドに比べ理性的な価格設定戦略を貫いてきたが、10−12月期の市場需要などから年末に販売チャネルでの在庫が増え、販売業者の在庫増と利益の下押し圧力を緩和するために値引きを拡大する可能性があるとの見方を示した。
また、本土自動車市場の価格競争は収束の兆しがみられず、24年1−3月期まで続くと予想。米テスラがモデルYとモデル3の販売価格を引き上げたものの、先週の広州モーターショーの状況をみると全体的には値下げが止まっていないと指摘。BYDが新たに投入した「海豹DMi」と「海獅07」に対する市場の反応が相対的に低調だったこともあり、会社側と販売業者は販売促進により積極的になる可能性があるとした。
BYDの株価は日本時間午後3時19分現在、前営業日比3.33%安の220.80HKドルで推移している。