JPモルガンは最新リポートで、中国の自動車市場について、軟調な市況が2022年末まで続く可能性があるとの見方を示した。政策期待や新型コロナ感染状況の改善を受けて5−6月に自動車セクターの株価は大幅に上昇したものの、6月下旬以降で直近の高値から約12％下落しており、同期間の中国企業指数（10％下落）をアンダーパフォームしたと指摘した。『AAストックス』が25日伝えた。

　市場では下期の潜在的な需要が期待されており、大多数のメーカーも通年の出荷目標を維持しているが、JPモルガンは期待が高ければ失望も大きくなるとの見方を示した。上期の自動車株の利益が予想を下回るほか、下期の需要も伸び悩み可能性があるとみて、1−3月期に出した予測を維持するとした。

　個別では、BYD（01211）と広州汽車集団（02238）を選好。4−6月期の利益が安定するとの見方を示し、広州汽車集団の目標株価を10.5HKドルに引き上げた。吉利汽車（00175）については2022年6月中間期の純利益が前年同期比で24％減少すると予想。また、中升集団（00881）と中国重汽（03808）の目標株価をそれぞれ60HKドル、6.5HKドルに下方修正した。大型トラック市場に弱気な見通しを示し、中国重汽の中間期純利益が75−78％減少するとした。各銘柄の投資判断と目標株価は次の通り。

　※銘柄名、投資判断、目標株価（HKドル）

　■吉利汽車（00175）、中立、14
　■広州汽車集団（02238）、オーバーウエート、9→10.5
　■中国重汽（03808）、アンダーウエート、8→6.5
　■中升集団（00881）、オーバーウエート、75→60
　■中国永達汽車服（03669）、オーバーウエート、10.5