中国の全国社会保障基金理事会が、格付けの低い「城投債」（地方政府傘下の投資会社が発行するインフラ債）や民営不動産企業の社債に対する公募ファンドでの社会保障関連基金の運用を縮小するよう公募ファンドの投資マネジャーに要請したもようだ。全国社会保障基金理事会は先週、投資マネジャーに対し、価格が額面の95％を下回っている城投債と民営不動産企業社債向けのエクスポージャー（投資残高）を調査するよう指示。調査後、天津を含む地方の城投債や民営不動産企業社債の売却を提案した。『香港経済日報』が13日、外電を引用する形で伝えた。

　報道によれば、不動産デベロッパー大手の遠洋集団（03377）の社債が最近大きく売られたことが、今回の調査のきっかけとなった。全国社会保障基金理事会から資産運用を受託している大型公募ファンドの1社が抱える遠洋集団の社債へのエクスポージャーが比較的大きいことから、全国社会保障基金理事会が危機感を覚えたという。