中国の生成AI・ビジョンAI大手、センスタイム(
00020)が発表した2026年6月中間決算は、売上高が前年同期比23.4%増の29億1100万元、純損益が6億700万元の黒字(前年同期は14億7800万元の赤字)となった。中間決算での純損益の黒字化は21年の上場以来初めて。生成AI関連事業の伸長に加え、戦略投資先の評価額上昇などが寄与した。
非国際会計基準(IFRS)ベースの調整後純損失は3億8600万元となり、赤字幅が67.3%縮小した。調整後EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)は3億8500万元の黒字(前年同期は5億4000万元の赤字)に転換した。粗利益率は41.4%と2.9ポイント上昇。研究開発費は17.1%減の17億5600万元、一般管理費は13.2%減の5億1800万元となり、費用の抑制も収益改善につながった。
事業別では、生成AI部門の売上高が28.2%増の23億2700万元となり、全体の79.9%を占めた。クラウドサービスやAIエージェントへの需要拡大がけん引した。ビジョンAI部門も13.9%増の4億9700万元と増収に転じた。一方、その他の新規事業を手掛けるXイノベーション部門は、連結範囲変更の影響などにより18.6%減の8700万元となった。
収益基盤では、今回初めて開示した継続収益(RR)が124.4%増の11億4500万元に拡大し、売上高全体の39.3%を占めた。継続契約に基づく収益の拡大が進み、安定した収益基盤の構築を進めている。
同社は、AIが自律的に判断してタスクを実行する段階への移行を見据え、AIモデル、計算基盤、AIを活用したシステムを一体的に整備し、AIサービスの事業化を急ぐ。大規模AIモデルでは、マルチモーダル対応の統一アーキテクチャー「NEO-Unify」を進化させる。8月に投入したオフィス向け「SenseNova 6.8-Flash-Lite」は各種テストで競合モデルを上回る評価を得たとしており、今後は大規模モデル「SenseNova 6.8-Flash」を順次投入する。
物理AIでは、大暁機器人と共同開発した世界モデル「開悟(Kairos)3.1」を活用し、ロボット制御への応用を進める。
AIインフラでは、「SenseCore」の計算基盤をAIモデルの学習や推論に必要なトークンを効率的に処理する基盤へと発展させる。26年7月の1日平均トークン処理量は前年同期比約22倍の2兆4000億トークンに増え、総演算能力はPFLOPS(ペタフロップス)に達した。香港科技園と提携し、30年までに4万PFLOPS規模のAI計算センターを大湾区に建設する計画を進めるほか、サウジアラビアにも計算資源のクラスターを配置する。
電力と計算資源を連携させる「算電協同」システムでは、データセンターの電力コストを約8%削減。26年上期には累計1200万元超のコストを削減した。
アプリケーションでは、オフィス向け「商湯小浣熊」、動画制作向け「商湯Seko」、累計4500万人超のユーザーを抱える個人向け「Kapi」シリーズを強化する。徐立会長兼CEOは、AIエージェントの普及と低コスト化を進め、持続的な成長につなげる方針を示した。