中国の字節跳動(バイトダンス)が、5兆パラメータを超える超大規模AIモデルの開発を検討しているもようだ。実現すれば、中国企業が開発するAIモデルとして過去最大級の規模となる可能性がある。
『晩点 LatePost』など複数の現地メディアによると、同計画は現時点で初期段階にあり、最終的にモデルを公開するかどうかも含め、不確定要素が残るという。既存モデルの性能を少しずつ高めるのではなく、競合を大きく上回る規模のモデル開発に踏み込むことで、将来的な技術優位を狙う構想とみられる。
中国では、アリババ集団(
09988)の「Qwen 3.8-Max」が2兆4000億パラメータ、月之暗面(Moonshot AI)の「Kimi-K3」が2兆8000億パラメータ規模とされる。バイトダンスの計画が実現すれば、これらを大きく上回る規模となる。
開発を担うのは、バイトダンスのAI研究部門「Seed Foundation」。責任者の項亮氏が中心となり、大規模言語モデルの事前学習データを担当する沈科氏らとともに開発を進めているという。
同社は計画推進に向け、Seed Foundation内の組織体制の見直しや人員配置、開発リソースの再調整を進めているもようだ。
バイトダンス経営陣は、AI開発で短期的な成果よりも長期的な技術力の蓄積を重視する「長期主義」を掲げている。
創業者の張一鳴氏は社内会議などで、他社モデルの出力を活用して短期間で性能評価を高める「蒸留」に依存する手法について、長期的な技術革新を妨げるとして否定的な姿勢を示した。短期的な競争順位よりも、基盤技術の確立を優先する考えを強調している。
最高経営責任者(CEO)の梁汝波氏も、大規模言語モデルの開発では自社技術の強化を重視する方針を示している。汎用人工知能(AGI)の実現という長期目標に向け、短期的な市場競争での遅れを受け入れてでも、技術基盤を固める姿勢を明確にしている。