2026年上半期の香港株式市場は、主要株価指数のハンセン指数が年初来で10.7%下落し、軟調な相場となった。一方で、生成AI(人工知能)関連や世界のハイテク需要の恩恵を受ける銘柄には買いが集まり、中国内需に依存する消費・サービス関連株との間で明暗が鮮明となった。
中国景気の回復ペースの鈍さや米中関係を巡る先行き不透明感が相場の重荷となるなか、業績の成長力や海外需要への依存度が株価を左右した。
上昇率首位はパソコンの世界最大手、レノボグループ(
00992)で、上昇率は148.6%に達した。生成AIの普及を背景にAI PC需要が世界的に拡大し、好調な業績が評価された。新薬開発の受託会社、無錫薬明康徳新薬開発(
02359)は55.7%上昇した。米国のバイオセキュリティ法案を巡る過度な警戒感が和らいだことに加え、業績改善への期待も追い風となり、CDMO大手としての企業価値が見直された。
電動工具の世界大手、創科実業(
00669)は44.0%上昇した。米国の住宅市場やDIY需要が底堅く推移したことに加え、コードレス電動工具の販売拡大が業績を支えた。中国最大のファウンドリー、SMIC(
00981)も25.1%上昇し、AI向け半導体需要や中国の半導体国産化の流れが追い風となった。
一方、下落率上位には中国国内の消費関連銘柄が目立った。中国のスマートフォン大手、小米集団(
01810)は44.9%下落で下落率1位。スマートフォン市場の成熟に加え、EV(電気自動車)事業での価格競争激化による収益悪化への懸念が重荷となった。
ゴールドジュエリーの販売事業者、老舗黄金(
06181)は43.9%下落した。金価格の高騰による特需が一巡したほか、高価格帯の金製品に対する消費の鈍化が嫌気された。世界最大級のオンライン旅行会社、トリップ・ドットコム(
09961)は43.8%下落。旅行需要は堅調だったものの、持ち分法投資損失の拡大による業績悪化や中国当局による独禁法調査が嫌気された。
ヘルスケア分野も軟調で、京東健康(
06618)は40.8%安、阿里健康(
00241)は39.0%安となった。オンライン医薬品販売を巡る競争激化やコロナ需要の反動による成長鈍化に加え、医療AIや配送システムなど次世代への追加投資が続き、収益への影響が警戒された。
2026年上半期の香港市場では、AI関連を中心とする世界的な成長分野と、中国内需関連との格差が一段と広がった。下期は、中国政府による追加の景気対策や消費刺激策が焦点となるほか、大きく調整した消費関連株に見直し買いが入るかどうかにも市場の関心が集まりそうだ。
26年上期のハンセン指数銘柄騰落率のランキングは次の通り(株価は6月末)。
■上昇率上位
1 レノボグループ(
00992)
期末株価:23.02HKD
騰落率:148.6%
2 無錫薬明康徳新薬開発(
02359)
期末株価:153.70HKD
騰落率:55.7%
3 創科実業(
00669)
期末株価:129.50HKD
騰落率:44.0%
4 CATL(
03750)
期末株価:702.00HKD
騰落率:38.9%
5 SMIC(
00981)
期末株価:89.40HKD
騰落率:25.1%
6 長江和記実業(
00001)
期末株価:66.25HKD
騰落率:25.1%
7 HSBC(
00005)
期末株価:147.90HKD
騰落率:20.8%
8 新鴻基地産(
00016)
期末株価:112.30HKD
騰落率:18.6%
9 長江実業集団(
01113)
期末株価:44.18HKD
騰落率:12.4%
10 中国銀行(
03988)
期末株価:4.99HKD
騰落率:11.9%
■下落率上位
1 小米集団(
01810)
期末株価:21.64HKD
騰落率:-44.9%
2 老舗黄金(
06181)
期末株価:346.40HKD
騰落率:-43.9%
3 トリップ・ドットコム(
09961)
年末株価:311.60HKD
騰落率:-43.8%
4 新奥能源(
02688)
期末株価:40.46HKD
騰落率:-41.5%
5 京東健康(
06618)
期末株価:32.84HKD
騰落率:-40.8%
6 阿里健康(
00241)
期末株価:3.08HKD
騰落率:-39.0%
7 中国アルミ(
02600)
期末株価:7.46HKD
騰落率:-38.7%
8 中国宏橋(
01378)
期末株価:20.06HKD
騰落率:-38.5%
9 BYDエレクトロニック(
00285)
期末株価:20.92HKD
騰落率:-37.8%
10 申洲国際集団(
02313)
期末株価:39.36HKD
騰落率:-35.7%