| 2026-05-22 |
中国/業界動向/証券 |
|
中国越境証券規制に動揺、老虎証券と富途証券が協力姿勢 株価急落
中国証券監督管理委員会(CSRC)が、老虎証券(Tiger Brokers)、富途証券(Futu)、長橋証券(Long bridge)の関連主体に対し、無許可のクロスボーダー証券業務を巡る行政処分の事前告知を行ったことを受け、各社は相次いで声明を発表し、規制順守と当局への協力姿勢を強調した。一方、市場では規制強化への警戒感が急速に広がり、関連銘柄が急落した。
『第一財経』の報道によると、老虎証券は「当局の通知内容を認識しており、規制要件に基づき積極的に協力する」と説明した。同社は「コンプライアンスを最優先事項としてきた」としたうえで、規制当局との連携を継続し、現時点で事業運営は正常だと強調した。
富途証券も、今回の対応について「業界全体に対する統一的な要求」との認識を示し、「当局の要請に従ってコンプライアンス対応を着実に進める」と表明した。
両社は、中国本土市場への依存度を低下させてきた点もアピールした。富途証券は、中国本土居住者による新規口座開設をすでに停止しており、過去2年間で数万件規模の不適切な申請を却下したと説明。2026年3月末時点で、顧客資産残高ベースでみた中国本土顧客の比率は13%まで低下したとしている。
老虎証券も、収益基盤を海外市場へ移す戦略を進めており、中国本土以外からの収益比率が高まっていると説明した。
もっとも、今回の発表に対して市場は敏感に反応している。CSRCが今回の違法行為を「市場秩序を乱す行為」と位置付け、違法収益の没収を含む厳格な行政処分方針を示したことで、投資家心理が急速に悪化。22日の米株市場のプレマーケットでは、富途ホールディングス(FUTU)と老虎証券を運営するUPフィンテック・ホールディング(TIGR)の株価が一時40%超下落した。
香港証券先物委員会(SFC)もこれに呼応し、証券会社に対し、口座開設時の本人確認(KYC)手続きに不備がないか点検するよう要請した。特に偽造書類の使用有無について、速やかな内部調査を求めている。
CSRCは、今回の摘発について「証券法」「証券投資基金法」「先物・デリバティブ法」に基づく措置と説明。各社には意見陳述や弁明、公聴会を請求する権利が認められており、最終的な行政処分は関連手続きを経て決定される見通し。
CSRCは、海外機関による無許可のクロスボーダー証券業務への監督・取り締まりを今後も強化する方針を示しており、中国本土内で運営される無許可の証券関連サイトやアプリへの規制も一段と厳格化するとみられる。
CSRCの発表によると、今回対象となったのは、Tiger Brokers (NZ)、富途証券国際(香港)、長橋証券(香港)の国内外の関連主体。