中国のインターネットサービス大手、テンセント(
00700)が発表した2026年1−3月期決算は、売上高が前年同期比9%増の1965億元、純利益が21%増の581億元だった。独自のAI(人工知能)技術を主力事業に組み込む戦略が奏功し、増収増益を確保した。高採算事業の構成比上昇を背景に、粗利益率も前年同期の56%から57%に改善した。
主力の付加価値サービス部門の売上高は前年比4%増の961億元。このうち本土ゲーム事業は、春節(旧正月)連休の時期ずれに伴う売上計上の繰り延べが響き、6%増の454億元にとどまった。ただ、総課金額ベースでは「王者栄耀」などの長寿タイトルがけん引し、十数パーセントの伸びを確保した。海外ゲーム事業も「クラッシュ・ロワイヤル」が好調で、13%増の188億元となった。
マーケティングサービス部門は、AIを活用した広告配信モデルの高度化が寄与し、20%増の382億元と大きく伸長。フィンテック・事業サービス部門も9%増の599億元となり、特にAI需要の拡大を追い風に企業向けクラウド関連収入が20%増と成長した。
同社は今後もAIを成長戦略の中核に据える方針。4月には新たなインフラ基盤を活用した大規模言語モデル「Hy3 preview」を公開した。推論やコード生成で高い性能を持ち、外部AIプラットフォームでも利用が広がっているという。中国で利用者の多いAIエージェント「WorkBuddy」の展開も進め、AIサービスの社会実装を加速する構えだ。
動画配信サービス「視頻号」では、レコメンドのアルゴリズム改善によりユーザー滞在時間が20%超伸長。「微信小店(WeChatストア)」の取引額も拡大が続く。馬化騰(ポニー・マー)会長は、AIによる革新と長期的な価値創出を通じて持続的成長を目指す考えを示した。主力事業が生み出す潤沢なキャッシュフローをAI投資へ振り向け、競争力強化につなげる。