中国の軽工業向けロボット市場が急拡大している。労働力不足や人件費の上昇を背景に、電子機器や食品、医薬品などの分野で生産自動化への投資が加速している。AI(人工知能)技術の進展も追い風となり、産業用ロボットの導入が広がっている。
浙江翼菲智能科技(
06871)の目論見書によると、中国の産業用ロボット市場は2021年の379億元から2025年には673億元へ拡大し、年平均15.4%で成長した。2030年には1472億元規模に達する見通しという。
なかでも、消費電子や自動車部品、新エネルギー関連などを含む軽工業向け市場の拡大が目立つ。同分野のロボット市場は2030年に531億元、自動化ソリューション市場は2126億元に膨らむと予測した。少子高齢化を背景に、労働集約型の生産体制から自動化への転換が進むとみられる。
技術面では、AIとロボットの融合が進んでいる。組み込みAIを活用し、作業工程をリアルタイムで調整するほか、3D視覚システムや深層学習を通じて周辺環境を認識するフィジカルAI技術への関心が高まっている。精密減速機や高トルクサーボモーターなど基幹部品の国産化も進み、輸入依存の低下によるコスト競争力向上につながっている。
競争面では、中国企業の存在感が強まっている。軽工業向けロボット市場の2025年シェアでは、調査会社フロスト&サリバンによると、深セン市匯川技術(300124)が3.6%で首位となり、南京埃斯頓自動化(
02715/
002747)などが続いた。翼菲智能科技も1.4%のシェアを確保し、国内4位の有力企業に位置付けられている。
同社は将来に向けた戦略として人型ロボット事業も強化している。自社開発の大規模モデルを搭載した輪脚式人型ロボット「Hogene」を発表しており、複雑な作業を自律的に処理する能力を備えるという。目論見書では、2030年までに高度な自律型ロボットの製造現場への本格導入が進むとの見方を示した。