電気自動車(EV)大手のBYD(
01211/
002594)が、従来の「技術者集団」のイメージから脱却し、ユーザーの感情体験を重視したブランド戦略を強化している。技術力を基盤としつつ、利用者が車の利用サイクル全体で満足感や価値を実感できる仕組みづくりを進め、「オーナー体験」の高度化を掲げる。
『新浪証券』によると、同社は2025年を通じ、製品機能だけでなくユーザー権益やサービス面も含めた革新に注力。「技術は人のためにある」との理念の下、情緒的価値の向上をブランドの柱に据えた。
自動車文化の育成にも踏み込む。約50億元を投じて全地形対応の専門サーキットを建設し、「100万人をサーキットへ」とする構想を推進。一般消費者がレース文化や運転体験に触れる機会の拡大を狙う。生活領域での連携も広げ、美的集団(
00300/
000333)とは車と家庭の双方向操作を可能にするスマート連携を推進。JDドットコム(
09618)とはアプリ連動のポイントシステムを整備し、復星旅文(Fosun Tourism)とは三亜・アトランティスやクラブメッドなどのリゾート特典を提供する。さらにレゴランドとも提携し、親子向け体験の拡充を図る。
ブランド別のユーザーコミュニティーも活性化している。自動車の「王朝」「海洋」シリーズでは海外展開に絡めたファンイベントや家族向け活動を展開。「方程豹(Fangchengbao)」はオフロード走行会や公益活動を通じてユーザー交流を促す。「騰勢(Denza)」は利用者との共創を軸に高級モビリティ体験を訴求し、「仰望(Yangwang)」は起業家コミュニティーの構築や対話型の製品開発を進める。アフターサービスでも「精誠服務(誠実で心のこもったサービス)」を掲げ、雪中救援や帰省時のサポートなど能動的な対応を強化した。
同社は環境負荷の低い移動手段の普及を通じた持続可能な社会への貢献を掲げ、今後も技術革新とサービス網の拡張を両輪にブランド価値を高める方針。ユーザーの日常生活や旅行など多様な場面で満足度を高める取り組みを続ける。