中国A株市場で宇宙太陽光発電(スペースソーラー)関連銘柄に注目が集まっている。6日には協キン集成科技(
002506)が3日連続ストップ高となったほか、複数の関連株が年初来高値を更新し、市場の関心が高まっている。
『財聯社』の報道によると、背景には、米宇宙開発企業スペースXの動向がある。イーロン・マスク氏のチームは、年間100万トン規模の衛星打ち上げと、宇宙空間に年間100ギガワット(GW)規模の人工知能(AI)演算能力を構築する構想を提示。これに伴い、同規模の宇宙太陽光発電需要が生じる可能性が意識されている。さらに、同社が中国の太陽光発電サプライチェーンを調査したとの報道や、テスラ(TSLA)とスペースXが今後3年前後で米国内に大規模な太陽光発電生産能力を整備する方針を示したことも、関連銘柄の思惑買いを誘った。
技術面では、従来主流だったガリウムヒ素(GaAs)系から、シリコンを基盤とするP型シリコンヘテロ接合(HJT)やペロブスカイトタンデム電池への転換が注目されている。GaAsは原材料が希少で大規模需要への対応が難しいとされ、原料が比較的豊富な次世代技術への期待が高まる。
企業別では、晶科能源(JKS)がN型TOPConとペロブスカイトのタンデム電池で変換効率34.76%を達成。海南鈞達新能源科技(
002865/
02865)は尚翼光電と連携し、宇宙環境下でのペロブスカイト材料の検証を終え、商業宇宙市場の開拓を進める。隆基緑能科技(
601012)は大面積のシリコン・ペロブスカイトタンデム電池で33%の世界記録を達成した。
装置・材料メーカーの動きも活発だ。深セン市捷佳偉創新能源装備(300724)はHJTやペロブスカイトの製造ライン一式を供給でき、宇宙用途向け装置の検証を進める。ST湖北京山軽工機械(
000821)は軽量で折り畳み可能なパネルを実現するため、巻き取り式(ロール・ツー・ロール)の装置開発を推進。山東金晶科技(
600586)はペロブスカイト電池に用いるTCOガラスで国内シェアの大部分を占める。
通信衛星から電力消費の大きい演算衛星への移行が進む中、宇宙空間での電力需要は拡大が見込まれる。中国の設備メーカーも受注拡大への期待を強めており、宇宙太陽光発電は新たな産業分野として投資と開発の加速が見込まれている。