香港証券取引所に上場する主要企業が21日夜、相次いで公告を発表した。2025年度の業績見通しや最新の事業動向が明らかになり、デジタル投資の成果や消費・移動需要の回復が鮮明となる一方で、地政学リスクに伴う貿易摩擦が一部企業の重荷となるなど、外部環境の変化による業績の「明暗」が浮き彫りとなっている。
製造・IT分野では、先端技術への注力が収益を押し上げている。上海電気集団(
02727/
601727)は、2025年の純利益が前年比47−76%増の11億−13億2000万元に達する見通しを明らかにした。ソフトウェア大手の金蝶国際ソフト(
00268)も、売上高が前年比11.1−12.7%増の約70億元規模となり、純利益も最大1億元を確保する見込みだ。同社は「サブスクリプション優先、AI(人工知能)優先」戦略を掲げ、クラウド事業の成長や企業向け管理AIの社会実装を進めたことで市場シェアを拡大させた。ソーシャルメディア運営の赤子城科技(
09911)も、累計ダウンロード数が約9億7000万件に達し、売上高が3割強の伸びを記録する見通しを示している。
消費や移動に伴う需要も堅調に推移している。キャセイ・パシフィック(
00293)は、香港エクスプレスと合わせた2025年の年間旅客数が前年比27%増の3600万人を突破した。これに呼応するように小売りも好調で、宝飾品販売最大手の周大福珠宝(
01929)は、12月末までの3カ月間の小売売上高(付加価値税込み)が前年同期比17.8%増加した。特に香港やマカオ、その他の海外市場が22.9%増と、中国本土(16.9%増)を上回る成長を見せたことが寄与した。
一方で、国際情勢の緊迫化が業績の押し下げ要因となる事例も出ている。北京京城機電(
00187/
600860)は、2025年に最大5520万元の純損失を計上する見通しを発表した。国際的な貿易摩擦の激化により、主力のガス貯蔵・輸送部門の輸出業務が強い下押し圧力にさらされたことが響いた。
こうした環境下、生き残りをかけた事業構造の転換や効率化を急ぐ動きも目立っている。シスラム・メディカル(
01696)は中国国内での生産ローカライズに向けた協力意向書を締結し、瀋陽公用発展(
00747)はエッジコンピューティング基盤事業に新たに乗り出した。また、太陽光発電用ガラス大手の福莱特ガラス(
06865)が子会社間の吸収合併を計画するなど、組織再編による経営資源の最適化も進んでいる。