| 2026-01-03 |
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中国の「人工太陽」、プラズマ密度限界を突破
中国科学院合肥物質科学研究院などの研究チームは2日、全超伝導トカマク型核融合実験装置(EAST)で、核融合発電の効率を左右するプラズマ密度限界を突破する画期的な成果を上げたと発表した。磁場閉じ込め方式のトカマク型核融合装置の高密度運転に道を開く成果として注目される。『新華社』が2日伝えた。
トカマク装置では、プラズマ密度が一定水準を超えると不安定化し、崩壊する「密度限界」が長年の課題だった。研究チームは、プラズマと装置内壁の境界領域に着目し、境界不純物が引き起こす放射不安定性が限界発生の主因であることを理論と実験の両面から突き止めた。
EASTの全金属壁環境を活用し、加熱手法やガス注入を工夫して不純物の発生を抑制。さらに内壁部材の条件を調整し、タングステン不純物の影響を低減した。その結果、プラズマを密度限界の先へ導き、「密度自由区」と呼ばれる新たな安定領域の存在が初めて実証された。
成果は国際学術誌「Science Advances」に掲載された。今回の実証は、トカマク型核融合炉の高性能化に向けた基礎的な物理的裏付けとなり、将来の実用化研究を後押しするとみられる。