| 2025-12-23 |
中国/業界動向/その他 |
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多国籍企業の94%が中国投資を継続=KPMG調査
大手会計事務所KPMG(畢馬威)が公表した「2025年多国籍企業中国展望」によると、多くの業種の多国籍企業が中国経済は中短期的に明確な回復を遂げるとみており、今後3−5年間の中国での収益成長見通しに対して、より楽観的な姿勢を示している。調査対象企業の94%が中国市場への投資を継続しており、75%の企業が2025年に中国本土への投資を維持または拡大した。『信報』が22日伝えた。
中国市場での競争激化や技術革新の加速を背景に、デジタル転換は多国籍企業が競争力を高めるための重要な手段となっている。報告書によると、調査対象の90%超の企業がデジタル分野への投資を計画、またはすでに実施している。このうち52%が「データ分析能力の強化」を最優先課題に掲げ、46%が「ITインフラの高度化」、36%が「新興技術への投資」に取り組んでいる。
人工知能(AI)の活用については、58%の多国籍企業がすでに事業運営にAIツールを導入していると回答した。また、サイバーセキュリティーは中国におけるデジタル転換を推進する戦略要因となっている。一方で、中国で開発された技術やAI能力をグローバルに展開する動きが進む中、国内外のサイバーセキュリティー基準の違いが、運営面やコンプライアンス面での課題を増大させていると指摘。こうした差異を埋めることが、信頼性と事業の強靱性を維持する上で不可欠だとした。
KPMG中国のマーク・ハリソン氏は、過去6カ月間で多国籍企業による中国での合併・買収(M&A)が顕著に増加したと指摘。背景には二つの戦略があると説明した。第一に、電気自動車(EV)、医療技術、バイオテクノロジー、水関連技術、先進材料、ロボット分野などで競争力の高い企業を買収し、世界事業の拡大や生産能力の活用を図る動き。第二に、消費者に近い分野では、激しい国内競争に対応するため、販売会社や代理店、受託生産企業の買収を通じた垂直統合を進め、中国消費者への理解とサービス強化を目指しているという。
報告書は、第15次5カ年計画(2026−30年)の始動を控え、多国籍企業にとって中国市場は「参加者」から共に市場を築く「共創者」への転換期にあると指摘。技術活用、法令順守、戦略的連携を通じてこそ、中国市場とともに成長・発展することが可能になると結論づけた。