英紙『フィナンシャル・タイムズ』(電子版)は27日、中国のテック大手が米国の半導体規制を回避して米エヌビディアの高性能チップを使用するため、人工知能(AI)モデルのトレーニングを海外で進めているようだと報じた。事情に詳しい関係者によれば、アリババ集団(
09988)や字節跳動(バイトダンス)が最新の大規模言語モデル(LLM)を東南アジアのデータセンターで訓練している。エヌビディアが中国向けに開発した「H20」の販売が4月にトランプ米政権によって制限された後、海外拠点での訓練が明らかに増えたという。
関係者によると、中国企業は一般に、中国系ではない事業者が所有・運営する海外データセンターとリース契約を結ぶ。この形態であれば米国の輸出規制に抵触しない。米国のバイデン前政権が抜け穴封じとして導入した「拡散ルール」は、2025年初めにトランプ大統領が撤廃したためだ。シンガポールやマレーシアでは、中国企業の需要に応じてデータセンターの処理能力が急拡大しており、多くの施設は米国の大手テック企業がLLM訓練に用いるものと同等のエヌビディア製品を備えている。
こうした動きの例外は、中国発AIモデルを手掛けるDeepSeekで、同社はモデル訓練を国内で行っているもようだ。業界関係者は、米国が半導体規制を発動する前にDeepSeekは大量のエヌビディア製チップを確保していたとみている。アリババ集団、字節跳動、エヌビディア、DeepSeekはコメントを控えている。
ただ、中国当局は自国のテック大手が国内の個人データを海外に持ち出すことを認めていない。業界関係者によると、国内の顧客が提供した固有データに基づいてAIモデルをカスタマイズする場合、トレーニングは中国で行う必要がある。