中国本土の上海市場または深セン市場にA株を上場している企業の間で、香港での重複上場を目指す動きが続いている。中国メディアの『澎湃新聞』のまとめでは、9月以降にA株上場企業25社が香港上場の方針を公表した。また、中国の調査会社Windによると、10月2日時点で76社のA株上場企業が香港証券取引所に上場を申請し、審査を待っている。
『澎湃新聞』は6日、A株企業のなかでも医薬品関連が香港上場に強い意欲を示していると指摘した。最近では石薬創新製薬(300765)と科興生物製薬(688136)が9月30日大引け後、H株を発行して香港証券取引所に上場する計画を発表している。石薬創新製薬(旧社名は石薬集団新諾威製薬)は香港メインボードに上場する石薬集団(
01093)の子会社。「H株上場によってグローバル戦略を深化させ、国際的な資本運用プラットフォームを構築し、国際市場での競争力を高め、製薬事業の発展を促進する」と香港上場の狙いを説明した。一方、科興生物製薬は、タンパク質組換えや多機能抗体、細胞・遺伝子治療などの研究開発から生産・販売まで手掛けるバイオ医薬企業だ。
一方、Windのデータで上場審査待ちが明らかになった76社は、医薬・バイオのほか、通信、食品・飲料、自動車、機械設備など、多様なセクターにわたり、各業界の代表的企業も少なくない。例えば中国の養豚大手・牧原食品(
002714)は5月27日、米アップルのサプライヤーである立訊精密工業(
002475)は8月18日にそれぞれ香港上場申請を提出した。
A株とH株をともに発行する「A+H」重複上場は件数が増えるだけでなく、資金調達規模も急速に拡大している。『澎湃新聞』によると、25年に入ってすでに11社が「A+H」上場を果たし、調達資金総額は916億8900万HKドルに達した。うち、CATL(
03750/300750)、江蘇恒瑞医薬(
01276/
600276)、浙江三花智能控制(
02050/
002050)、仏山市海天調味食品(
03288/
603288)、藍思科技(06613/ 300433)の正味調達額はそれぞれ410億600万HKドル、113億7400万HKドル、107億3600万HKドル、105億7100万HKドル、54億8300万HKドルに上り、5社合計で今年の香港IPO全体の調達額の半分以上を占めている。