
| 2025-09-29 |
中国/政策/非鉄金属 |
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非鉄金属10種の25−26年生産量、目標は年1.5%増=中国当局
中国の工業情報化部は28日、非鉄金属産業の成長を促進する2年計画「非鉄金属業界安定成長工作方案(2025−2026年)」を公表した。2025年から2026年にかけて非鉄金属業界の付加価値を年平均5%前後増やし、非鉄金属主要10種の生産量を年平均で約1.5%増とする目標を掲げ、地方の関連部局に対し作業を着実に実施するよう通達した。
さらに、2025−26年に銅、アルミニウム、リチウムなど国内資源の開発で積極的な進展を実現し、再生金属の生産量が2000万トンを超え、高付加価値製品の供給能力を一段と強化し、グリーン・低炭素化やデジタル化の発展水準を継続的に高める目標も盛り込んだ。
同工作方案は工業情報化部と自然資源部、商務部、中国人民銀行(中央銀行)など8部局が共同で策定した。資源確保、供給高度化、業態転換の促進、消費拡大、協力強化の5方面で計10項目の施策を打ち出した。具体的な施策は次の通り。
◇資源の効率的利用を促進:銅、アルミニウム、リチウム、ニッケル、コバルト、スズなどの資源調査・探査を強化、鉱業権を科学的かつ秩序立てて供与する。銅やアルミニウムなどの金属スクラップの総合利用や廃棄された電池、太陽光パネルなどの固形廃棄物の総合利用を強化する。
◇産業の科学技術イノベーションを強化:超高純度金属などの高品質原料、銅合金構造機能一体化材料、貴金属機能材料、高性能レアアース新材料などの技術ブレークスルーを推進する。製造業卓越品質プロジェクトを実施し、企業の製品品質向上を導く。
◇有効投資を拡大し、業態高度化を促進:鉱物資源開発プロジェクトの審査・認可・環境影響評価・安全施設設計審査にかかる時間を短縮する。アルミナ、電解アルミ、銅製錬、鉛製錬、亜鉛製錬などの省エネ・汚染削減・脱炭素改造を推進。「AI+非鉄金属」行動を展開し、業界用大規模モデルを構築する。
◇消費需要を喚起:高級アルミ材・銅材・マグネシウム合金の応用を拡大し、川上・川下企業間の長期安定的協力関係の構築を支援する。希少金属の応用水準を高め、高純度ガリウム、タングステン硬質合金、全固体電池材料など先端的製品の応用検証を加速する。新素材の革新応用を推進し、新市場を育成していく。
◇開放・協力の深化:企業が貿易規制に対応できるよう支援し、高性能新材料・精密製品の適正な輸出につなげる。海外での非鉄金属プロジェクト建設を着実に推進し、周辺国と協力して海外経済貿易協力区を建設。製品と設備・技術・標準・サービスの一体的な海外展開につなげる。
同工作方案は政策支援の強化も指示。各地方が超長期特別国債などの政策を活用するなど、減税・費用削減措置を最大限に活かすよう求めた。重要な非鉄金属については国家備蓄を実施。国有企業の評価・指導を強化する。また、ビッグデータや人工知能(AI)などを活用し、業界の詳細な基礎情報や世界の政策・資源・産業・技術の動向分析を強化する。重点地域と代表的な企業、主要プロジェクトの運営もモニタリングする。重点製品の生産能力の超過・不足を早期に予見する仕組みを整備する。