上海市政府系の半導体受託製造企業、華虹半導体(
01347/688347)は8月31日、同業の上海華力微電子を買収すると発表した。華虹半導体の筆頭株主である上海華虹集団と政府系ファンドなど計4社などから上海華力微電子の発行済み株式の97.4988%を取得することで8月29日に合意した。取得代価は新たに発行するA株と現金により支払う計画で、金額は資産査定(デューディリジェンス)後に確定する。華虹半導体は全額出資子会社を通じて上海華力微電子株の2.5012%をすでに保有しており、今回の買収手続きが完了すれば上海華力微電子を100%保有することになる。
A株の割当価格は1株当たり43.34元で、8月29日終値の78.50元を44.79%下回る。華虹半導体は上海証券取引所に上場するA株の取引を18日から停止していたが、9月1日に取引を再開する。
華虹半導体は第三者割当増資の計画も発表した。新たに発行するA株を最大で35者の投資家に割り当てる。調達額は上海華力微電子の買収代価の100%を上限とする。新株の発行数は買収完了時点の発行済み株式総数の30%を超えない範囲とする。華虹半導体は臨時株主総会を開いて買収計画と第三者割当増資計画の承認を求める。
上海華力微電子は中国において12インチウエハーの受託製造を手掛けている。華虹半導体は上海華力微電子を買収して12インチウエハーの受託製造能力を増強する計画。コスト削減、市場シェア拡大、規模の経済の実現といったシナジー効果も見込む。
華虹半導体と上海華力微電子は、ともに上海市政府系国有企業の上海華虹集団や国策ファンドの国家集成電路産業投資基金の出資を受けている。華虹半導体が上海証券取引所の科創板に上場する際、上海華虹集団は事業重複を解消するため、上場から3年以内に上海華力微電子を華虹半導体に統合すると確約していた。