米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』(WSJ)は29日、中国クラウド事業大手のアリババ集団(
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アリババ集団は長年にわたり米半導体大手エヌビディアの大口顧客だった。しかし米国がエヌビディア製品の中国向け輸出を規制したことで、アリババ集団を含めた中国の半導体設計会社が需要を代替しつつある。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』によると、半導体の業界関係者は、米国政府による禁輸措置の対象になった高性能半導体に匹敵する製品を、中国が自前で作れるようになるのは先の話だとみている。米当局の制限措置により、中国の半導体工場が米国の最先端技術を入手できなくなったことが理由だ。
ただ、中国向け輸出が認められているAI半導体としては最も高性能なエヌビディア製「H20」の代替品が中国企業によって供給されつつある。トランプ米大統領は7月、エヌビディアに「H20」の対中輸出を認めた。しかしこれまでの報道によると、その後に中国政府が「H20」にセキュリティーリスクが存在すると主張し(エヌビディアは否定している)、自国企業に同製品の購入を当面は見合わせるよう指示した。