
2025-02-10 |
米国/マーケット/証券 |
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NY市況(7日):ダウ444米ドル安と続落、インフレ懸念やトランプ関税が重し
7日のNY株式相場は下落。注目された米1月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回ったものの、失業率が改善し、平均賃金が予想以上に増加したことに加え、ミシガン大が発表した1年先期待インフレ率速報値が大きく上昇したことで利下げ期待が後退したことや、米10年債利回りが一時4.51%台に上昇したことが重しとなった。
トランプ大統領が幅広い国に対して相互関税を課す方針を明らかにしたことも嫌気されたほか、決算が予想を上回ったものの、弱い見通しが嫌気されたアマゾンが4%超下落したことや、決算が嫌気されたアルファベットが3%超続落したこともハイテク株の重しとなった。
ダウ平均は朝方に109米ドル高まで上昇したが、終盤に467米ドル安まで下落し、444.23米ドル安(-0.99%)と2日続落して終了。S&P500とナスダック総合もともに0.3%上昇後、それぞれ0.95%安、1.36%安で終了。ともに4日ぶりの反落となった。
業種別ではS&P500の全11セクターが下落。アマゾン、テスラ、ナイキの大幅安を受けて一般消費財が2.52%安となったほか、コミュニケーション、素材、ITも1%超下落した。
週間では主要3指数がそろって下落。ダウ平均が0.54%安と4週ぶりに反落し、S&P500が0.24%安、ナスダック総合が0.53%安とともに2週続落した。
注目された1月雇用統計は、非農業部門雇用者数が14万3000人増と前月分の30万7000人増から大きく減少し、予想の17万人増も下回った。しかし、失業率が前月比横ばいの4.1%に反して4.0%に改善した。平均賃金も前月比+0.5%、前年比+4.1%とそれぞれ予想の+0.3%、+3.8%を上回る伸びとなった。2月ミシガン大消費者信頼感指数速報値は67.8と予想の71.1を下回る弱い結果となったものの、同時に発表された1年先期待インフレ率速報値が4.3%と前月分の3.3%から大きく上昇した。
指標結果を受けて米10年債利回りは前日の4.438%から一時4.515%まで上昇し、4.495%で終了した。利下げ期待は後退。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のフェドウォッチ・ツールの6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置き確率は、前日の35%から45%に上昇した。