2025-02-07 |
中国/投資判断/電子・IT |
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DeepSeek、中国株式市場の起爆剤に 外資の流入回復も=HSBC
HSBCグローバルリサーチは最新リポートで、中国の株式市場が現時点で米国による追加関税の影響をそれほど受けていないとの見方を示した。一方、深度求索(DeepSeek)社が開発した大規模言語モデル「DeepSeek(ディープシーク)」は中国のイノベーション力を示す良い事例となり、これによって中国株式市場が再評価される可能性があるとした。『AAストックス』が7日伝えた。
HSBCは、中国の株式市場によってDeepSeekが重大な起爆剤になり、世界からの注目を集め、中国の持続的なイノベーション力を示したと指摘。23年に中国の特許申請件数が世界全体の4分の1を占めたが、滬深300指数(CSI300指数)のPERが中国イノベーション指数との連動性が低く、中国のイノベーション力の向上が株式市場で織り込まれていないとの見方を示した。ただ、この状況は今後変わるとみて、中国市場は新興国市場とのバリュエーションの差が縮小し、海外資金の流入は回復すると予想した。
DeepSeekの1日当たりのダウンロード数が500万回に達し、公表から2週間でChatGPTの日間平均ユーザー数の4分の1を獲得したことに加え、トークンコストを97%削減したことに言及。米国の大規模演算能力とは異なり、アルゴリズムの最適化という独自のアプローチを示したと評価した。AI産業で今後、中国と米国が交互に主導権を握る可能性があり、DeepSeekは投資家が中国のイノベーション能力を再評価するきっかけになるとした。
一方、米国が中国からの輸入品に10%の追加関税を課したが、想定内だったため、これに中国市場が敏感に反応しなかったと指摘した。関税が10%引き上げられるごとに滬深300指数構成銘柄の純利益は0.5%の減少にとどまるとの試算を示した。