2025-02-04 |
中国/政策/その他 |
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中国、トランプ関税の回避に向け提案を準備=WSJ
米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』(WSJ)は3日、中国政府はトランプ米政権による追加の関税引き上げとハイテク規制の導入を未然に防ぐため、米政府への初期提案を準備していると報じた。トランプ大統領は1日に中国とカナダ、メキシコに追加関税を課す大統領令に署名したが、4日の発動前にカナダとメキシコについて1カ月延期することで合意。3日にはホワイトハウスで記者団に対し「おそらく24時間以内に中国と話をすることになる」と述べている。
WSJは米中の消息筋の話として、中国が用意している提示は、2020年1月に合意したものの未だに達成できていない貿易協議への回帰を主軸としており、中国との交渉戦略を巡って米政府内の議論がいっそう激化する見通しだとした。
トランプ米政権は4日、中国が合成麻薬「フェンタニル」の原料の取り締まりをしていないとして、同国からの輸入品に10%の追加関税を課す。しかし、両国政府とも全面的な貿易戦争に踏み込む構えは見せていない。中国の習近平国家主席は国内景気が低迷するなか、トランプ大統領との交渉に前向きとされている。一方、トランプ氏は以前に公言していたような中国に対する高率の追加関税を一気には導入しないことで、対話の余地を示したようだ。
事情に詳しい関係者によれば、中国側は今回の10%関税をトランプ氏流の交渉戦術と受け止め、当初の動きは中国指導部が容認できない「最大限の圧力」ではないとみている。ただ、トランプ氏は関税率を最高で60%まで引き上げると表明していた。