2024-11-07 |
香港/投資判断/証券 |
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米トランプ新政権、関税とテック分野の制裁で影響も押し目買いを勧める=海通証券
海通証券は最新リポートで、米大統領選挙でトランプ前大統領の当選が確実になったことを受け、トランプ新政権の誕生で中国に及ぼす影響は関税とテクノロジー分野の制裁がもっとも大きいとの見方を示した。トランプ氏の1期目の任期中に中国本土A株市場や香港市場のパフォーマンスは総じて悪くなかったものの、追加関税で株式市場が下落したことが記憶に残っていると指摘。また、トランプ氏の拡張的な財政政策がインフレ率の上昇を招くため、米パウエル米連邦準備理事会(FRB)は11月に0.25%の利下げを行った後、金融緩和をいったん見送りする可能性があるが、FRBの独立性も低下するとみている。『AAストックス』が7日伝えた。
海通証券は、追加関税が中国の輸出にとってマイナスだが、テック分野の制裁は自立を促進するという意味ではプラスに働くとの見方を示した。これらを市場ではすでに織り込まれており、足元で半導体株が大幅に上昇したため、短期的な利益確定売りを警戒する必要があるものの、長期的には依然としてプラスになるとした。また、中国当局の内需刺激策が消費の改善につながるものの、このところ消費株が反落していることに言及。消費データに改善が遅れて反映されることから、財政刺激策を受けて短期的には消費株が上昇する可能性があるとした。
香港市場とA株市場の上昇トレンドは変わらないとみて、投資家に押し目買いを勧めた。全国人民大会(全人代)常務委員会の財政刺激策による相場の浮揚効果に期待を示し、トランプ氏の当選確定で市場が大きく変動すれば、買いのチャンスになるとの見方を示した。中国当局の政策強化と経済指標の改善が株式市場の上昇を支えるとした。