外食チェーン運営大手のヤム・チャイナ(
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取締役会に与えられた自社株買い権限は2024年11月に10億米ドル追加され、17年以来の権限枠が累計44億米ドルに達した。権限に基づき、17年から24年11月1日に30億米ドルを投じて7180万株を購入しており、残り枠は14億米ドルとなった。。
4日に発表した2024年7−9月期決算は、純利益が前年同期比21.7%増の2億9700万米ドルとなり、ファクトセットがまとめた市場コンセンサス予想の2億5300万米ドルを上回った。1株当たり0.16米ドル(前年同期は0.13米ドル)。
売上高は前年同期比5.4%増の30億7100万米ドルと、四半期としては過去最高。全系統売上高(直営およびフランチャイズ店、売り上げベースロイヤルティーを受け取らない非直営店を除く)は4%増加(為替変動の影響を除く)し、店舗数の7%純増が貢献した。既存店売上高は前年同期の97%相当、前四半期の96%相当の水準に減少した。既存店の販売件数は前年同期比1%増え、7四半期連続の成長となった。
24年9月末時点の店舗数は1万5861店。内訳は「ケンタッキーフライドチキン(KFC)」が1万1283店、「ピザハット」が3606店。開店・閉店は438店の純増となり、うち145店(33%)はフランチャイズ契約の店舗だった。
なお、2024年の経営目標は従来通りに据え置き、店舗純増数は1500−1700店、資本的支出は7億−8億5000万米ドル、現金配当と自社株買いによる株主還元は15億米ドルとする。
ヤム・チャイナの4日終値は前日比4.89%高の360.60HKドル。