2024-08-30 |
中国/政策/不動産 |
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中国当局、低利住宅ローンへの乗り換え推進を検討か
中国政府は消費刺激策として、自宅保有者が抱える総額5兆4000億米ドルに上る住宅ローンを低金利ローンに乗り換えさせることで、数百万世帯の家計の負担を減らす措置を検討しているもようだ。事情に詳しい関係者によると、住宅所有者が既存のローン条件の見直しを貸し手の銀行と交渉できるようにする。期限は銀行による住宅ローン条件の改定時期にあたる1月まで。住宅所有者が別の銀行から借り換えることも可能になるという。香港経済紙『信報』が30日、外電を引用する形で伝えた。
中国当局は住宅取得コストを下げる政策を強化している。中国人民銀行(中央銀行)が昨年、商業銀行に対して住宅ローンの金利引き下げを奨励すると、銀行側は1軒目の住宅について既存ローン金利を下げる異例の措置で応えた。消息筋によれば、当局が現在検討している措置が全住宅に適用されるかは明確になっていない。
住宅ローン金利が下がれば国有銀行の収益も圧迫されるが、当局は不動産不況を震源とする景気後退を防ぐ措置を打ち出す必要に迫られている。今年に入って実施された政策金利の引き下げは新たに住宅を購入する人にとって恩恵となったが、すでに住宅を所有している人は取り残された形になっており、こうした層を対象とする新たな措置が検討されているようだ。中国人民銀行と国家金融監督管理総局はコメントを控えている。