10日の中国本土株式市場で、上海総合指数は続落。終値は前日比1.15%安の3319.15ポイントだった。深セン成分指数は0.14%高の11140.19ポイント。上海、深セン両市場の売買代金は概算で1兆200億2000万元だった。
上海総合指数は安く寄り付くと、下値を切り下げる展開。中国当局が景気減速を防ぐため金融政策を緩和に傾けるとの期待が後退するなか、前日に続き利益確定売りが優勢。為替市場で人民元安が進み、中国本土からの資金流出への懸念も重荷となったもよう。10日の人民元相場の基準値は1米ドル=6.9299元と4営業日続落し、3月3日以来、約2カ月ぶりの元安水準となった。指数が心理的節目の3300ポイントに近づくと買い戻しが入り、終盤にはやや戻したものの、終値ベースで4月27日以来、約2週間ぶり安値を付けた。
セクター別では、足元で買われていた銀行、証券、保険がほぼ全面安。航空・空港運営も全面安となったほか、海運・港湾運営、採掘が売られた。半面、自動車、風力発電設備、電機が全面高。
A株市場では、銀行株の中信銀行(
601998)、中国農業銀行(
601288)、中国銀行(
601988)や、ゲーム関連の巨人網絡集団(
002558)、完美世界(
002624)、三七互娯網絡科技集団(
002555)の下げが目立った。テクノロジー株の曙光信息産業(
603019)、紫光国芯微電子(
002049)、北方華創科技集団(
002371)も大きく売られた。半面、自動車メーカーの江鈴汽車(
000550)、重慶長安汽車(
000625)、BYD(
002594)、自動車部品メーカーの寧波均勝電子(
600699)、安徽中鼎密封件(
000887)などが買いを集めた。
上海B株指数は0.21%高の292.52ポイント、深センB株指数は0.54%高の1194.64ポイントだった。