米ガートナーが11日発表した2022年第4四半期(10−12月)の世界パソコン出荷数(速報値)は、前年同期比28.5%減の6529万2000台だった。下落幅はガートナーが1990年代半ばにパソコン市場の調査を始めて以降で最大。22年通期では2億8619万7000台と、前年比16.2%減った。
ガートナー主任アナリストの北川美佳子氏は、「多くの消費者が新型コロナウイルスの流行期に買った比較的新しいパソコンを持ち、手ごろな価格の製品も見当たらないことから、購入意欲が削がれて消費者のパソコン需要が近年で最も低い水準に落ち込んだ」と語った。景気が減速する中で企業もパソコンの更新を先延ばしにしており、「事業者向け市場は2024年まで成長軌道に戻りそうにない」との見方を示した。
22年10−12月期の企業別出荷数は、レノボグループ(
00992)が前年同期比28.6%減の1566万3000台で首位。市場シェアは24.0%と前年同期から横ばいだったものの、出荷第数の減少率はガートナーがパソコン市場の調査を始めて以降で最大だった。レノボグループは日本を除く全市場で出荷台数を減らし、EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)と中南米での減少率は30%を超えた。
2位の米HPは29.1%減の1321万6000台(市場シェア20.2%)、3位の米デルは37.0%減の1088万4000台(同16.7%)と、ともに市場シェアを落とした。4位の米アップルは10.2%減の701万1000台と減少率が比較的小さく、市場シェアが前年同期の8.6%から10.7%に上昇した。5位のエイスースと6位のエイサーの台湾2社は、それぞれ19.8%減の487万6000台、41.2%減の358万9000台だった。