週明け30日の香港市場は米株高の流れを引き継ぎ買いが先行するか。前週末のNY市場でダウ平均は575米ドル高と6日続伸。好決算を受けた小売株の上昇が続く中、インフレのピークアウト期待が支援材料となった。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視する4月のコア個人消費支出 (PCE)価格指数は前年比+4.9%と前月分の+5.2%から低下し、米10年債利回りは前日比ほぼ横ばいの2.743%と2.75%を下回って推移した。ハイテク株比率が高いナスダック総合指数は主力株が軒並み買われ、3日続伸して終えた。
ただ、買い一巡後は上値の重い展開か。前週末にハンセン指数は2.89%高と大幅に反発した後とあって、利益確定売りが出やすい。きょうは米国市場がメモリアルデーで休場となるほか、中国では5月の製造業購買担当景気指数(PMI)の発表をあすに控えており、様子見ムードが広がる可能性がある。
ロックダウン(都市封鎖)が長期化している上海市が29日、8分野、50項目にわたる「経済再開と立て直しに関する行動プラン」を発表した。経済活動の再開や中国当局の景気対策への期待が買いを支えるだろう。半面、「ゼロコロナ」政策の下、4−6月期の経済成長が大きく落ち込むことへの懸念や、行動制限の緩和を巡る不透明感も根強い。
27日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融大手のHSBC(
00005)、大型ネット株のアリババ集団(
09988)、JDドットコム(
09618)が香港終値を上回った半面、本土保険大手の中国平安保険(
02318)が下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を50ポイント近く上回って寄り付くことになる。