17日の香港市場は方向感に乏しい相場か。中国が新型コロナウイルス封じ込めのため厳しい行動制限をかける「ゼロコロナ」政策を巡り、景気減速懸念と規制解除後の持ち直し期待が交錯するだろう。中国国家統計局が前日発表した4月の鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資は軒並み市場予想から下振れしており、サプライチェーンと生産の滞りが鮮明。半面、同日に上海市当局が都市封鎖(ロックダウン)を6月中に解除する方針を明らかにしたことで、景気の反転上昇への思惑買いが入りやすい。
香港ドル安を背景とする資金流出も懸念材料。香港金融管理局(HKMA)は12日以降、連日で香港ドル買い介入を実施しているものの、対米ドル相場はペッグ制度下の変動レンジ下限である1米ドル=8.50HKドルに迫る水準で推移している。
ハンセン指数はほぼ1週間ぶり高値圏にあり、心理的節目の20000ポイントが上値抵抗線として意識されそうだ。なお、きょうはハンセン指数構成銘柄のJDドットコム(
09618)と子会社の京東物流(
02618)が2022年1−3月期決算を発表する。
16日のNY株式相場は、ダウ平均が小幅に続伸した半面、ハイテク株主体のナスダック総合は3営業日ぶりに反落した。原油高を好感したエネルギー株やヘルスケア、生活必需品などのディフェンシブ株が上昇した一方、一般消費財、ITなどのグロース株が幅広く下落した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。生保大手の中国平安保険(
02318)、大型ネット株のJDドットコムとテンセント(
00700)、英金融大手HSBC(
00005)が香港終値を上回って終えた。