中国の国務院（内閣に相当）は10日に常務会議を開き、第14次5カ年計画（2021−25年）の「綱要」と特別計画で決まった重大プロジェクトを加速し、有効投資を拡大するよう指示した。内需を拡大する戦略を実施し、「大盤振る舞い」に陥らず、対象を絞り込んで最終消費と有効投資を拡大することが、新たな景気下押し圧力に耐えて2022年第1四半期と上半期の経済の安定を確保する上で重要な意義を持つとした。会議で決めた措置の要点は次の通り。

◇第14次5カ年計画「綱要」で確定した102件の重大エンジニアリングプロジェクトと、特別計画の重点プロジェクトの実施を加速する。食糧とエネルギーの安全保障や、先進製造業とハイテク産業、運輸物流とインターネット通信などのインフラ施設、都市の低所得者向け保障性住宅などの重点分野の建設について、融資や用地、エネルギー供給などの要素を保障する仕組みを整える。

◇地方政府が21年第4四半期に専項債（インフラ債）の発行で調達した1兆2000億元を資金とするプロジェクトをできるだけ早期に実施する。今年すでに認められた専項債の発行と、中央政府予算内の投資を用い、建設中またはすぐに着工できるプロジェクトを重点的に準備し、より多くの社会投資を呼び込むことで第1四半期の具体的な事業規模を増やすようにする。

◇投資プロジェクト審査制度の改革を深化させ、コミットメント制度や区域評価などの新たな施策を実施していく。既存資産を生かす政策措置を検討し、導入する。