パソコン(PC)世界大手、レノボグループ(
00992)の楊元慶会長兼最高経営責任者(CEO)は4日、2021年7−9月期業績説明会の席上、上海証券取引所のハイテク新興企業向け市場「科創板」へ重複上場する計画を撤回したことについて「引き続き香港証券取引所に上場しており、業務に影響は与えない」と述べた。『信報』が同日伝えた。
将来、A株の重複上場を再申請するか可能性について楊会長は、事業開発と戦略的変革をサポートする全ての機会を評価し続けるとのみ答えた。レノボグループが提出した上場目論見書によると、「科創板」に上場する中国預託証券(CDR)の裏付けとして最大13億3700万株(発行済み株総数の10%)の新株を発行。年初時点の報道では上場で最大15億米ドルの調達を見込んでいた。だが10月10日、諸事情や市況を考慮した結果、計画を撤回すると発表した。
世界的な半導体チップの供給量不足について楊会長は、2022年上半期まで続くと分析。同時に、レノボ製品の部品の半数は自製しているため部品の供給は安定していると強調。サプライヤーとの交渉力も強化され、過去数四半期に渡るチップ不足にも関わらず、業績は好調だとした。
チップ不足が粗利益率に与える影響については、事業の重点は利益率の高い商用PCとハイエンドPCにあり、一部部品の供給量不足によるコスト増は相殺されていると説明。粗利益率は今後さらに改善されていくと強調した。
レノボグループの株価は日本時間午前11時21分現在、前日比1.93%安の8.14HKドルで推移している。