米政府はSMIC(
00981)と華為技術(ファーウェイ)を事実上の禁輸対象リストである「エンティティー・リスト」に収載しているが、米国サプライヤーによる輸出申請の多くを許可しているもようだ。ロイター通信は21日、2020年11月から21年4月にかけて付与された輸出許可は1000億米ドルを超えると報じた。2社はコメントを控えている。
ロイターが米下院外交委員を務める米共和党議員から入手した資料によると、ファーウェイ向けに610億米ドル相当の製品・技術を供給する113件の輸出許可が同期間に付与された。SMICには420億米ドル近くに相当する188件の許可が与えられた。サプライヤーによる輸出許可申請が許可される率は、SMIC向けが9割超、ファーウェイ向けは69%に上る。
米下院外交委員会は21日、共和党トップの委員マイケル・マコール議員の求めに応じ、許可データの公表を議決した。データは米商務省が5月に米下院外交委員会へ渡していた。
輸出許可の状況について、先進技術の中国企業への流出に神経を尖らせる米政界の対中強硬派は不満を表明している。共和党のルビオ上院議員は、SMICやファーウェイが「見逃されている」理由をバイデン大統領が説明すべきだと語った。
ファーウェイとSMICはそれぞれ19年5月、20年12月に「エンティティー・リスト」に追加され、これにより安全保障上の理由から輸出を規制する外国企業に指定された。ロイター通信は今年初め、トランプ米政権時代に許可されたファーウェイ向け輸出は、エンティティー・リスト入り後だけで870億米ドル相当だったと報じた。
SMICの株価は日本時間午後0時6分現在、前日比5.20%高の23.25HKドルで推移している。