5日の香港市場は軟調に推移するか。前日のNY株式市場が大幅に反落したことを引き継ぎそうだ。長期金利の上昇が嫌気されハイテク株が総じて下落したことから香港のハイテク株も売られる可能性が高い。前日のハンセン指数終値は昨年10月6日以来ほぼ1年ぶりの低水準だっただけに、割安感が出た銘柄を買い戻す動きは出やすいが、上値の重さから限定的になりそうだ。
また、中国恒大集団(
03333)の債務問題への警戒感が引き続き相場の重荷となっている。中国恒大集団と傘下の恒大物業集団(
06666)が前日に株式取引を停止したことで、不動産市況や金融へのリスク波及が改めて意識された。一方、恒大物業集団の株式51%を合生創展集団(
00754)が買収するとの報道は投資家の不安をいくらか和らげる材料となった。
米中関係を巡っては、米通商代表部(USTR)のタイ代表は4日、2020年2月に発効した第一段階の米中通商合意を中国が順守していないことについて、近日中に中国の劉鶴副首相と協議する意向を示した。
4日のNY株式相場は主要3指数が大幅反落。ダウ平均は323米ドル安と反落したほか、ハイテク主体のナスダック総合も2%超下落した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)はさえない。中国インターネットサービス大手のテンセント(
00700)やアリババ集団(
09988)のほか、アジア保険会社のAIAグループ(
01299)や本土不動産株の華潤置地(
01109)が香港終値を下回って引けており、香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を170ポイント超下回って寄り付くことになる。