2021-07-09 |
中国/政策/証券 |
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中国企業の海外上場、ネット監督当局が審査へ=WSJ
中国のネット規制当局である国家インターネット情報弁公室(CAC)が海外上場の審査権限を握るもようだ。米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』は8日、消息筋の話として、中国指導部は米国などの海外市場に上場する中国企業や海外での株式公開に対する監督体制を強化するため、関連部局のなかでCACに主導的地位を与える方針だと伝えた。縦割り行政の弊害を打破する狙いがあるとみられる。
消息筋によると、中国配車アプリ最大手の滴滴出行(DIDI)の米国上場を巡り、CACはネットワークセキュリティー面のリスクを警告したものの、主な経済・金融部局はおおむね滴滴出行の上場計画を支持。結果、同社は新規株式公開(IPO)の中止を明確に言い渡されることがないまま、今年6月にニューヨーク証券取引に新規上場した。
CACは今後、中国の安全保障上に対する脅威になるとみなした海外IPOを差し止める権限を持つ可能性があるという。CACは中国共産党の習近平総書記(国家主席)が主任を務める中央網絡安全・情報化委員会の下部組織。