8日の香港株式市場で、ハンセン指数は小幅に5営業日続落。終値は前日比0.02%安の28781.38ポイントだった。中国企業指数は0.17%安の10729.52ポイント。メインボードの売買代金は概算で1226億4000万HKドルだった。
ハンセン指数は反発して寄り付いたものの、前場半ばにマイナス圏に沈み、その後は小安い水準でもみ合った。前日まで4営業日続落し、約2週間ぶり安値で終えただけに、買い戻しがある程度相場を支える半面、積極的な材料に乏しいなか、勢いは限られた。バイデン米大統領の中国に関する米紙への寄稿に対し、中国外交部の汪文斌報道官が定例会見で内容を批判した発言が伝わり、米中対立の先鋭化が引き続き懸念された。10日に5月の米消費者物価指数(CPI)が発表されるほか、中国本土で来週半ばにかけて5月の物価統計や金融統計、主要経済指標の発表が予定されており、様子見気分も相場を重くした。
ハンセン指数構成銘柄では、スマホ部品メーカーの舜宇光学科技(
02382)が約4%安。火鍋チェーンの海底撈国際(
06862)、ビール大手のバドワイザーAPAC(
01876)、医薬品メーカーの中国生物製薬(
01177)も2%超下げた。半面、自動車部品メーカーのBYD(
01211)が6%超の大幅高。5月販売実績が好感されたほか、米アップルが計画中の電気自動車に搭載する電池の調達に向け、中国の寧徳時代新能源科技(300750)(CATL)やBYDと交渉に入ったとの報道も材料視されたもよう。中国海外発展(
00688)、碧桂園(
02007)、華潤置地(
01109)など本土系不動産株が堅調だった。
ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は0.77%安の7981.01ポイントと5営業日続落。BYDエレクトロニック(
00285)、汽車之家(
02518)、海爾智家(
06690)が下げた一方、JPモルガンが投資判断を「アンダーウエート」から「オーバーウエート」に引き上げた衆安在線財産保険(
06060)が約5%高と急伸した。