『香港経済日報』は29日、2021年4−6月期の「焦点株」10銘柄を発表した。配当性向が高く、業績が好調で景気回復の恩恵を受けやすい銘柄を中心に、ニューエコノミー株と従来型エコノミー株の両方を選定した。1−3月期の前半に上昇していた株式相場が後半に下げに転じ、ニューエコノミー株が急落した一方でバリュー株に見直し買いが入ったことを反映させた。グローバル経済が新型コロナウイルスの打撃から立ち直るにつれてインフレ期待も広がっており、市場では緩和に傾いていた金融政策が巻き戻されるとの観測が浮上している。
景気拡大に伴う金利の先高観が強まるなか、利ざや拡大が業績改善につながる本土系銀行株から最大手の中国建設銀行(
00939)を選定した。また、景気変動に敏感な電力株から華潤電力控股(
00836)を選定。同業に比べ業績が好調で環境保護への対応にも積極的な点を評価した。
消費関連では、5月のメーデー連休に航空需要が拡大すると見込み、中国南方航空(
01055)を選んだ。2021年通期業績見通しがポジティブサプライズだった高級車ディーラーの中国永達汽車服務(
03669)も焦点株となった。一方、香港地場株から不動産投資信託のLink REIT(
00823)、欧州と英国で公共事業を展開する長江インフラ(
01038)がリストに入った。
『香港経済日報』はニューエコノミー銘柄について、グロース株からバリュー株への資金移動や中国の独禁法当局による監督強化が株価を押し下げたものの、押し目買いの好機をもたらしたとの見方を示した。その上で、出資先を拡大しているテンセント(
00700)と、子会社を相次いで分離上場するJDドット・コム(
09618)を選定。スマートフォン市場のシェアを高めている小米集団(
01810)も選んだ。
不動産管理の碧桂園服務(
06098)も焦点株リストに入れた。現金保有が潤沢で、好業績だけでなく積極的な買収が期待できるとした。