4日の香港市場で欧州金融大手のHSBC(
00005)が続落している。株価はリーマン・ショック後につけた安値の33HKドルを割り込み、株価は日本時間午後0時15分現在、前日比3.14%安の32.35HKドルで推移している。前日に発表された2020年6月中間期業績の予想下振れが引き続き嫌気されている。税引き前コア利益が市場予想を下回ったものの、引当金計上前の営業利益は市場コンセンサス予想を上回ったと指摘する声も出ている。『香港経済日報』が4日伝えた。
ゴールドマン・サックスは最新リポートで、HSBCの税引き前コア利益の予想下振れは信用コストが予想を上回ったためで、引当金計上前の営業利益は市場予想とゴールドマン予想をともに上回ったと指摘。HSBCの投資判断を「買い」に据え置き、21年から配当を再開する可能性が株価支援材料になるとの見方を示した。投資判断は55HKドルに設定している。
モルガン・スタンレーは、HSBCの経常収益の伸びとコストコントロールがともに予想を上回ったと評価。ただ、4−6月期の引当金が38億米ドルに上り、市場コンセンサス予想の27億元を大幅に超え、税引き前利益を押し下げたと指摘した。また、グローバル銀行業務と資本市場取引の増収や、保険事業の評価益の計上が業績に寄与した一方、利ざやが前年同期から0.29ポイント低下したことで資金利益は9%減少したと分析。利ざやの縮小圧力が続いていることなどを理由に、投資判断を「アンダーウエート」に据え置いた。目標株価は42HKドル。