香港独占鉄道事業者の香港鉄路(
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香港鉄路によると、19年7−11月の乗降客数は前年同期比14.2%の減少で、デモ隊と警官隊との衝突が激化した10月と11月はそれぞれ前年同月比27.4%、27.2%減った。この影響で乗車券収入が大幅に減少。デモの影響で保有する商業施設の売上高も減少し、テナント料の優遇措置などを講じたため家賃収入も減った。一方で破壊された駅施設や線路、車両の補修にかかる費用や、警備員、保守作業員の人件費が増大した。
19年12月本決算についてはコア利益が前年を下回るとの見通しを示した。デモによる損失に加え、ホンハム駅の手抜き工事や資本参加する英国の鉄道事業会社ファーストMTRウエスタン・トレインに絡み24億3000万HKドルの引当金を計上することが重荷。一方、複合施設「日出康城」など不動産事業の収益が好調なことから、19年12月期の引当金を除いた場合は前年を上回るとした。
香港鉄路の5日終値は前日比0.81%高の43.55HKドル。