中国の乳製品大手、中国蒙牛乳業（02319）は6日大引け後、大株主だった仏ダノンとの業務関係の解消について合意したと発表した。これに伴い、中国蒙牛乳業は2社の合弁会社でコールドチェーン事業を展開する内蒙古牛達能乳製品の出資持ち分をすべて取得する一方、子会社の雅士利国際（01230）が保有する育児用粉ミルクメーカー、多美滋嬰幼児食品の全出資持ち分をダノンに売却する。また、ダノンが保有する雅士利国際の株式25％を中国蒙牛乳業が買い取った上で、スキーム・オブ・アレンジメント方式により雅士利国際を非公開化する計画を発表した。なお、仏ダノンはこれまでに保有する中国蒙牛乳業の株式をすべて売却している。

　内蒙古牛達能乳製品は現時点で中国蒙牛乳業が80％、仏ダノンが20％出資。仏ダノンからの出資持ち分20％の取得対価は最大で16億元。一方、仏ダノンに譲渡する多美滋嬰幼児食品の全出資持ち分は最大で8億7000万元になる。

　中国蒙牛乳業がダノンから買収する雅士利国際の株式25％の対価は総額で14億2400万HKドルに上る。1株当たりで1.2HKドルに相当し、6日の雅士利国際の終値0.92HKドルを30.4％上回る水準。中国蒙牛乳業は現時点で雅士利国際の株式51.04％を保有しており、買収取引が完了すれば、持ち株比率は76.04％に上昇する。

　ダノンからの株式取得の完了を前提に、中国蒙牛乳業はスキーム・オブ・アレンジメント方式により雅士利国際を非公開化する方針。ほかの株主から未保有の株式23.96％を買い取り、消却する。提示価格は、ダノンからの株式の取得価格と同じく1株につき1.2HKドル。非公開化の実施には裁判所会議や株主総会での承認などが必要で、発効した場合は雅士利国際が上場廃止になる。