22日の香港株式市場でハンセン指数は小反発。終値は前日比0.15%高の29338.70ポイントだった。中国企業指数は0.22%安の11339.87ポイント。メインボードの売買代金は概算で990億4000万HKドルだった。
ハンセン指数は前日の米株安の流れを引き継ぎ、強気相場と弱気相場の分かれ目とされる250日移動平均(21日大引け時点で29282ポイント)を下回って寄り付いた。貿易摩擦の世界的な拡大に対する警戒感が高まり、投資家はリスク回避の姿勢を強めた。ただ、2月9日に付けた年初来安値(29129ポイント)付近で下値が堅かったことに加え、本土市場で大幅に続落して始まった上海総合指数が切り返したことが安心感につながり、指数はもみ合いながら下げ幅を縮小。中国共産党系英字紙『チャイナデイリー』が市場アナリストの話として、早ければ1週間以内に中国人民銀行(中央銀行)が預金準備率の追加引き下げを発表すると伝えたことも好感されたもよう。指数は後場に250日移動平均を回復し、プラス圏へ浮上。もっとも、貿易摩擦への懸念が根強い中、29400ポイント付近で伸び悩み、クロージング・オークション・セッション(大引け後10分間の板寄せセッション)の間に上げ幅を縮めた。
ハンセン指数構成銘柄では、証券会社による投資判断と目標株価の引き上げを手掛かりに香港鉄道事業者の香港鉄路(
00066)が高い。衛生用品大手の恒安国際集団(
01044)が後場に急伸。時価総額上位のAIAグループ(
01299)が上昇し、相場を押し上げた。前日に大幅安のスマホ部品メーカー、舜宇光学科技(
02382)は反発した。半面、石油輸出国機構(OPEC)の定例総会を22日に控え、石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)、シノペック(
00386)、CNOOC(
00883)が軟調。民営自動車メーカーの吉利汽車(
00175)、香港不動産関連の恒隆地産(
00101)、九龍倉置業地産(
01997)などがさえない。
H株では、レノボグループ(
00992)の筆頭株主、聯想控股(
03396)が6%近い上昇。石炭大手のエン州煤業(
01171)、油田サービスの中海油田服務(
02883)、ディーゼルエンジンメーカーのウェイチャイ・パワー(
02338)が高い。ビールメーカーの青島ビール(
00168)、小売り大手の聯華超市(
00980)が上昇した。新エネルギー車のBYD(
01211)も買われた。中国による25%の報復関税が実行されれば、米輸入車の国内販売価格が大幅に上昇することから、BYDなど一部国内メーカーに有利には働くとの見方が出ている。半面、航空大手の中国国際航空(
00753)、中国南方航空(
01055)がそろって安い。中国版ゆうちょ銀行の中国郵政儲蓄銀行(
01658)など本土金融株の一角が軟調だった。