27日の香港市場は前日の欧米株安の流れを引き継いで売り先行か。26日の米株式相場でダウ平均は大幅に続落。欧州市場は独DAXや英FTSE100といった主要指数が総じて下落した。財務不安からドイツ銀行の株価が最安値を更新し、金融株全体に売りが広がった。26日の香港株の米国預託証券(ADR)は、時価総額の大きいHSBC(
00005)、テンセント(
00700)、中国工商銀行(
01398)などが香港終値を下回った。香港株のADR指数にサヤ寄せすれば、ハンセン指数は約120ポイント程度下げて寄り付くことになる。
一方、日本時間午前10時からは第1回目の米大統領候補討論会が行われ、民主党のクリントン候補と共和党のトランプ候補が直接対決する。いずれの候補も中国に対し強硬姿勢を示しているが、うちトランプ氏は為替操作国認定など中国政府に対する圧力を一段と強めることを提案している。トランプ氏が米大統領になった場合、中国の対米輸出が大幅減少するとの見方もあり、討論会の内容次第では相場の波乱要因になり得る。
このほか、中国では1−8月の工業企業利益が発表される。ただ、本土市場は今週末から国慶節の連休に入るだけに売買は盛り上がりにくい。仮に良い数字が発表されたとしても買い上がる動きは限定的となりそうだ。